今回のタイトル「罨法」という字、読めますか?
これは「アンポウ」と読みます。
罨という漢字は、何かで覆う・被せるという意味があります。
罨法には患部等を冷やして痛みを和らげたりする【冷罨法】と
温めることで鎮静効果や入眠促進など患者さんの安静・安楽をうながす【温罨法】があります。
罨法という用語は知らなくても、日常生活の中で実践している人も多いと思います。
湿布、水枕や氷枕、湯たんぽ、これらは罨法に用いる道具です。
打ち身やねんざ、熱の時、さらには寒い夜などに使っていますね。
私たちの日常生活にも馴染みがあるのですが、自分で使うことと、看護者として患者さんに使うことには大きな違いがあります。
罨法を実施する前に、患者さんの脈拍や血圧などのバイタルチェックを行い、その患者さんの状態から冷・温罨法が必要なのか、罨法を行って大丈夫か判断します。
そして患者さんに罨法の必要性を説明し、了承を得た上で処置を行っていきます。
この他にも罨法を行う上で注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
例えば、湯たんぽを使った温罨法。この時注意しなければいけないのは、熱傷のおそれがあるということです。低温やけどのリスクもあるので、患者さんを観察できる状態でなければ使用するのは難しいのです。
冷罨法でも同じことが言えます。凍傷のリスクや、湿布等によるかぶれや冷やすことによる悪寒がしてないか、氷まくらからの水漏れはないか、水枕等の留め具が患者さんに当たらないか、など。常に注意しておかなければなりません。
湯たんぽや湿布という私たちにも身近なものを用いて看護をする罨法ですが、注意すべき点が沢山ありました。看護業務という人や命と向き合う仕事にはそれだけ責任が求められるのです。
在校生たちもはじめのうちは上手くいかずに悩んだりすることがあるそうですが、繰り返し練習し、不明な点を先生に聞いて少しずつ上達していきます。まずは失敗をおそれず、挑戦してもみることが大切ですよね。
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